早速建物を再現していきたいところではありますが、後々困るといけないので簡単なモデルを作ってBlender→Unity→Clusterという流れを試してみた上で、注意点などを確認したいと思います。
Unityのインストール
Clusterに必要なモジュールなどが指定されているので、先にUnityのインストールを済ませてしまいましょう。
下のリンクはClusterの公式ドキュメントなので参考にしつつやってみましょう。
注意すべきは、
UnityのバージョンはUnity 2019.4.22f1にする。(2021.7現在)
MacOSの人は Android, iOS, Windows のモジュールを追加しておく。
です。
おそらく推奨バージョンにないので、
から探してインストールしましょう。
インストールには時間がかかると思われるので、その間に次のBlenderでのモデリングに進みましょう。
Blender
モデリング
Blenderのハードルを格段に上げているものとは何か。それは操作方法とモードの複雑さです。
操作方法についてはたくさん紹介しているサイトなどがあるのでお任せします。
私がよく見ていたサイトはこれです。↓
blender 2.8 入門:blenderの基本操作|CzPanel
最低限、視点の操作について
回転:トラックパッド二本指を一緒に動かす
ズームアウト・ズームイン:トラックパッドで拡大縮小の動き or マウスホイール
平行移動:手のひらマークをクリックして動かす
ということだけ覚えておきましょう。
とりあえず慣れるしかない!ということで簡単な建築物を作って慣れていきたいと思います。
Youtubeに上がっている様々な動画を参考に、格闘しつつ適当な家を作ってみました。 屋根の形を変形させたせいで後々大変なことになりそうですが、とりあえず無視します。
レンダリング
Unityに読み込ませるため、ファイル>エクスポート>FBXを選択します。
オブジェクトタイプはアーマチュアとメッシュのみで大丈夫です。Shift+クリックで選択します。
このとき保存先をUnityのプロジェクト下のAssetsフォルダに指定するとあとで一手間減りますが、大した手間ではないので保存場所さえちゃんと覚えておけば大丈夫です。
オブジェクトタイプや保存場所を指定したら FBXをエクスポート をクリックします。ここでBlenderの出番は一旦終了です。
Unity
新規プロジェクト作成
さすがにインストールが済んでいる頃でしょう。Unity Hubを立ち上げ、プロジェクト>新規作成 をクリックします。
テンプレートは3Dを選択し、プロジェクト名や保存先を適宜指定して作成します。
インポート
UnityにBlenderのモデルを移植します。
UnityのAssetsのところに、先ほどエクスポートしたファイルをドラッグ&ドロップします。もしエクスポートする際にAssetsフォルダに置いておいた場合は、もともと表示されているのでドラッグ&ドロップの必要はありません。
次に今インポートしたモデルをAssetsからHierarchyビューのSampleScene下にドラッグ&ドロップします。Sceneビューにモデルが表示されると思います。
操作方法
UnityはBlenderと少し操作方法が違います。
視点の操作
回転 → optionを押しながらドラッグ or マウスの右ドラッグ
ズームアウト・ズームイン → トラックパッド2本指でドラッグ or マウスのホイール
平行移動 → 左上のてのひらマーク or (マウスにある場合は)中ボタン
オブジェクトの操作
オブジェクトをクリックした状態で
平行移動 → Wキー
回転 → Eキー
拡大縮小 → Rキー
もしくは画面左上の手のひらマークの隣にあるボタンでもできますが、できるだけショートカットで慣れた方が早く操作できます。
基本の操作はこれだけ覚えていればなんとかなります!
テクスチャをつける
今は真っ白のモデルなので、リアリティを出すために素材をつけていきます。
Assets Store
オリジナルのテクスチャがあればそれでいいですが、ない場合はAsset Storeから無料配布のものをダウンロードしてみましょう。
ツールバーのWindow>Asset Store を開きます。
このときカテゴリ別検索で 2D>テクスチャ&マテリアル を選択し、価格の絞り込みで無料アセットにチェックをつけると楽に検索ができます。
気に入ったのがあったら Add to My Assets をクリックしてダウンロードしましょう。その際 Unityのログインなどが求められるかもしれませんが、適宜メール認証などをクリアしてください。
右上のMy Assetsのアイコンをクリックしたあと、Downloadをクリック→Importをクリックします。
別Windowで出てくるのでさらにImportをクリックします。
Importが終わるとProjectビューのAssetsに追加されます。
マテリアルの設定
左上のビュータブをクリックしてSceneビューに戻ります。
Hierarchyビューでマテリアルを変更したいパーツを選びます。
InspectorビューのMaterials>Elementの横の◎をクリックすると、Select Material のウィンドウが出てきます。そこで変更したいマテリアルをクリックすると変更できます。
またはSceneビューやHierarchyビュー上のオブジェクトにAssetsを選んでドラッグ&ドロップでも可能です。
適当にテクスチャをつけてみました。
Creator Kitの導入
モデル作成は一旦中断し、UnityにClusterのCreator Kitを導入します。
UnityのメニューバーのEdit > Project Settings をクリックします。Project Settingウィンドウが開いたら、次のように入力します。
Name:Cluster
URL:https://registry.npmjs.com
Scope:mu.cluster
Saveを押すと、Scoped Registryに追加されます。
UnityのメニューバーのWindow > Package Manager をクリックします。Package Managerウィンドウが開いたら、左上のドロップダウンから My Registries を選択します。
Cluster, Inc. > Cluster Creator Kit を選択し、右下のボタンでインストールします。
最後にメニューバーのEdit > Project Settingsを開き、Player > Other Settings > Rendering > Color Space を Linear に変更しましょう。
上のメニューバーにClusterが増えていれば設定完了です!
ワールドアップロードのための準備
詳しくは下のリンクを見てみてください!
導入したCreater Kitを利用し、一個ずつ要素をつけていきます。
SpawnPoint
スポーン場所を設定します。
GameObject > Create Empty で空のObjectを作ります。
今作った空のオブジェクトを選択し、Add ComponentからSpawnPointを検索します。
緑色の球体が出てくるので、プレイヤーを最初に出現させたい位置と向きに設定します。ちなみに中心から出ている赤い線がスポーン時の向きです。
これでSpawnPointが設定できました。
DespawnHeight
同様の手順でDespawnHeightを設定します。黄色い床が表示されると思います。これはプレイヤーが落下した際にリスポーンするための高さです。オブジェクトより少し下に設定しておけば大丈夫です。
Collider
衝突判定です。これがないと床や壁をすり抜けていってしまいます。同様にAdd ComponentからColliderを検索します。Box ColliderやSphere Colliderなどがありますが、ArchPackなどで作成した場合Meshがきちんと設定されているのでMesh Collider(オブジェクトのメッシュ通りにColliderを適用させる)が便利です。
プレイヤーがたどり着きそうな場所にあるオブジェクトには一通り設定しておきましょう。
もしプレイヤーに行って欲しくない場所がある場合、メニューバーのGameObjectから、3D Object > Cubeを作成して、Inspector > Mesh Renderer > Remove Componentで表示されないようにすると、透明な壁が設置されます。
MainCameraの削除
Clusterの制約で、MainCameraがあるとワールドをアップロードできません。Hierarchyから削除しておきましょう。
ワールドアップロード
メニューバーのCluster>ワールドアップロードをクリックします。Clusterウィンドウで Webでトークンを発行する をクリックすると、Clusterがブラウザで開かれます。ユーザ登録をしていない場合はサインアップを済ませます。
APIアクセストークン > Creator Kit トークン のトークン作成をクリックし、表示されたトークンをコピーします。
それをUnityのClusterウィンドウのアクセストークンの部分に貼り付け、このトークンを使用 をクリックします。一回閉じてしまうと2度と見れないのでコピーしたらすぐペーストしましょう。もしコピーしそびれてしまった場合は再発行します。
ワールドを新規作成をクリックし、サムネ用画像などを用意したら変更を保存を押してアップロードボタンを押します。
ワールドアップロードにはかなり時間がかかります。待ちましょう。
Cluster
アカウント認証
アップロードしている間に、アカウントの認証を行います。
ここからアクセスしてメールアドレスの認証を行います。
インストール
以下のリンクからclusterをダウンロードします。お使いのOSに合わせたものを選びましょう。
ダウンロードできたら.pkgファイルを開きます。Macをお使いの方で「開発元を確認できない」などと表示され弾かれた場合は、Macのシステム環境設定 > セキュリティとプライバシー > 一般 から開きましょう。
インストーラが開けたら指示に従ってインストールします。
ワールド管理
アップロードが終了すると、Cluster画面右上のアイコンからワールド管理メニューを選択し、テストプレイや全体公開などができます。
ワールドに入るを選択すると、先ほどインストールしたclusterを開いてアバターを選択すると操作できます。
スマホやPCでワールドに遊びに行けるようになりました!
2日目と言いながらかなりのボリュームになってしまいましたが、基本的な流れは以上です。ここからはモデリングを本格的にやっていきます。頑張ります!
余談:アバター
全然ワールドアップロードが終わらなくて暇なそこのあなた、もちろん放置して寝るのもいいですが、もしやることがないのならワールドで歩かせられるアバターを用意してみましょう。
なお、Clusterには標準で動かせるアバターがあるので無理に用意する必要はありません。こだわりたい人はVRoidや、それこそBlenderでも3Dのアバターが作成できるよというお話です。
アバターが完成し.vrmファイルを書き出したら、Cluster画面右上のアイコンからアバターメニューを選択します。ここではVRM形式のアバターがアップロードできます。
詳しくは公式がまとめてくださっているのでこちらから!
ちなみに私は自前のVRoidアバターを使用しようとしたところ、容量制限に引っ掛かり泣く泣く諦めました。皆さんは軽量化されたモデルを使いましょう。